乳がん組織診断報告書の見方と私の手術前の結果

2021/08/31

乳がん


だいぶ前のことになりますが、乳がんであるかどうかの針検診と併せて、組織診断をしていました。

組織診断の結果をもって、その後の治療が決まっています。
その治療の方針はこちら。

乳がんの治療方針が決まった

告知から一カ月、また乳腺外科の診察を受けてきました。 そこで、今後の治療方針が決まったので、その内容を記録します...

catssilvervine.blogspot.com

今回は、そのもととなった組織診断の結果を記録していきます。
一部、細かいところは省略しています。
あくまで、手術前の診断なので、術後の病理検査と比べると正確さは下がりますが、比較できるようにしておきたいと思います。

なるべく解説を入れるようにします。
乳がんの患者さんで、病理検査の結果、組織診断報告書の見方が分からない人に届くことを祈って。

検体適正

まず、針検診によって取られた細胞は診断に必要な量がとられているか。
こちらは十分にとられており、「適正」でした。

また、良性・悪性の判断がされるのですが、こちらは「悪性」
つまり、乳がんである、ということです。

組織型

ひとくちに乳がんといっても、いろいろながあります。

非浸潤がん・浸潤がん

まず、大きく2つに分けられます。

  • 非浸潤がん
     →初期
      がん細胞が乳管の中に留まっている
      手術で取れば、転移・再発は少ない

  • 浸潤がん
     →進行している
      がん細胞が乳管の外に広がっている
      転移・再発の危険性がある

私は、後者の「浸潤がん」でした。
MRIで見ると、結構広範囲に広がっていました。

浸潤がんの中の分類

浸潤がんは、そこからさらに組織型によって分類されます。
多数派である浸潤性乳管がんと、特殊型です。

この辺になってくると説明が難しいので、興味のある方はこちらのサイトを見てみてください。

乳がん治療用語集:乳管がん・浸潤がんなど乳がんの種類について

いまや日本人女性の12人に1人が発症していると言われる乳がん。その予防・治療のためには、まず正確な知識を得ておきましょう。

ucc.or.jp

私はこの型のなかで「アポクリンがん」という特殊型のようです。
アポクリンがんがどういうものかは、調べてみてもよくわかりませんでした…

とりあえず、乳がん全体の1%程度のもののようです。
症例が少ないものの、治療の方針としては通常の浸潤がんと変わらないとするのが一般的です。

治療後の経過の良し悪しも変わらないとされているようなので安心しています。

サブタイプ分類

がんには細胞のもつ遺伝子の性質でサブタイプという分類がされます。
この分類によって、治療の方針が決まってきます。
サブタイプを決める要素は「ホルモン受容体」「HER2」「Ki67」の3つです。

ホルモン受容体

この項目は陽性か陰性かに分かれます。
陽性であれば、がん細胞が女性ホルモンに反応して増殖する性質を持っています。

エストロゲン受容体(ER)とプロゲステロン受容体(PgR)について調べます。
私の結果は
  • ER(+)
  • PgR(+)
両方とも陽性でした。

ホルモン受容体が陽性の人は、ホルモン療法をするのが前提になります。

HER2

よく陽性か陰性かと言われますが、組織診断報告書ではスコアで表されます。

  • 0 → 陰性
  • 1+ → 陰性
  • 2+ → 疑陽性(別の方法で再検査をして陽性/陰性を判断)
  • 3+ → 陽性

陽性の場合、がんがHER2というがんの増殖に関係するたんぱく質が、がんの表面にたくさん現れています。
HER2が陽性の人は、HER2を攻撃する薬を使った治療をすることになります。

私はHER2スコア0陰性でした。

Ki67

Ki67はがん細胞の増えようとする性質の程度を%で示したものです。
何%から高いか、というのは明確には決まっていません。

私は10~20%という結果でした。
はっきりとした数字は、術後の病理診断でわかるんだと思います。

サブタイプ

これらの結果をもって、どのサブタイプに分類されるかは以下の通りです。

  1. ルミナルA型
    →ホルモン受容体(+)、HER2(-)、Ki67低
  2. ルミナルB型(HER2陽性)
    →ホルモン受容体(+)、HER2(+)、Ki67低~高
  3. ルミナルB型(HER2陰性)
    →ホルモン受容体(+)、HER2(-)、Ki67高
  4. HER2型
    →ホルモン受容体(-)、HER2(+)
  5. トリプルネガティブ
    ホルモン受容体(-)、HER2(-)

それぞれのタイプで、どのような治療がされるかは、このサイトを見てみてください。
私の組織診断報告書にはサブタイプの記載がありませんでした。
1か3のはずです。
今度の診察で聞いて、追記します。

核グレード・組織学的グレード

がん細胞の核の性質等を用いて、がん細胞の顔つきの悪さ(タチの悪さ)を示しています。
3段階で表されます。

  • 1:予後(病気の見通し)良好
  • 2:中間
  • 3:予後不良

私の結果はというと「」でした。

結果のまとめ

私の結果を改めておさらいすると、

  • 浸潤がん/アポクリンがん
  • ER(+)
  • PgR(+)
  • HER2(-)
  • Ki67 10-20%
  • 核グレード3

という結果でした。

このグレード3というのかけっこう響いたのですが、「真面目に治療しないとやばいから頑張れ」くらいに思っておくことにしました。
いずれ、淡々と治療をこなしていくしかない、ということには変わらないので。

組織診断報告書ですが、患者向けの資料ではなかったため、全体を読むのはかなり大変でした。
このブログで解説したあたりをおさえておけば、乳がん患者が把握したいポイントとしては足りるのかなと思います。

繰り返しにはなりますが、病理診断の結果、組織診断報告書の見方がわからなくて困っている人の参考になれば幸いです。


Twitter → @777_Kanata

QooQ