とても久しぶりの更新になってしまいました。
前までのペースとはいきませんが、少しずつまた更新していこうと思っていますので、よろしくお願いします。
前回の更新は退院のタイミング、左胸の全摘出手術の入院生活のまとめでした。
今回はその手術の病理検査の結果です。
実際は術後1ヶ月くらいのタイミングでもらっていました。
結果は完全奏功
要は、摘出した乳房やリンパには顕微鏡で見つけられるがんが存在せず、術前の化学療法でがん細胞を無くすことができたと考えられる、ということです。
抗がん剤をやった結果として正にベスト、とても良い結果です。
ネットを見ていてもなかなか完全奏効って見かけない結果で、ある程度がん細胞が残るケースが多いです。
もちろん、がん細胞を減らすことで十分意味があるのが化学療法ですが、こういうラッキーなケースも存在するという報告ができて良かったのかなと思います。
じゃあ乳房の摘出はしなくても良かったのでは、という気もしないでは無いですが、それは摘出して、ちゃんと検査してみないとわからないことなのかなと納得しています。
今の胸がない状態もわりと気に入ってますし。
組織診断報告書の記載
では私の報告書の記載がどうだったかを記録します。
診断部分の全文は以下の通りです。
Lt. breast cancer, Bt+Ax(II), status post chemotherapy:
No remnant of carcinoma
ypN1a(0/20)
Histological therapeutic effect: Grade 3
これを細かく翻訳していきます。
Lt. breast cancer
左乳がん
Bt+Ax(II)
乳房切除+腋窩リンパ節郭清
(II)というのは、郭清するリンパの範囲を指すようです。
status post chemotherapy
化学療法後の状態
No remnant of carcinoma
残っている腫瘍は無し
ypN1a(0/20)
郭清したリンパ20個のうち転移しているリンパは0個
Histological therapeutic effect: Grade 3
組織学的治療効果はグレード3
どれくらい化学療法が効いたかという判定で、Grade 0が無効、Grade3が完全奏効です。
細かく見たい方はこちらを見てみてください。
BQ3.術前化学療法後,病理組織学的に治療効果を判定することは勧められるか? | 乳癌診療ガイドライン2018年版
病理診断 ステートメント ・術前化学療法後,病理組織学的に治療効果を判定することは...
jbcs.xsrv.jp
その後の治療方針について
放射線治療→回避
完全奏効だったことにより、当初予定していた放射線治療は回避できました。
1ヶ月毎日病院に通わなくて良かったのはありがたかったです。
ホルモン療法
主治医の診断後からホルモン療法を開始しました。
具体的にはタモキシフェンという毎日の経口薬と、リュープリンという半年に一度の注射を並行していきます。
期間は5年間。
ホルモン療法の方針については、術後の状態より治療開始時の状態を考慮して決められるようです。
ホルモン治療の間は、ホットフラッシュだったり、イライラしたり、更年期障害のような副作用と付き合うことになります。
長いお付き合いです。
予防摘出
この記事を書いている時点で終えてしまっているのですが、約半年後、この時摘出しなかった右乳房の予防摘出をしました。
再建はしておらず、両胸平らな状態で過ごしています。
この辺については、また別の記事で説明できたらと。
雑感
この病理結果を聞いたとき、本当に嬉しかったのを、半年たった今でもおぼえています。
やってみないとどういう結果がでるのか、お医者さんでも読みきれないのが化学療法。
私が完全奏効だったのは、シンプルにラッキーでしかなかったと思います。
この記事は、「完全奏効なんて幻なんじゃないか」という思いに対する「いや、幻じゃないよ」という答えでしかありません。
ただ、「本当にあるよ」って事実を伝えるだけです。
「私は完全奏功でした!あなたもきっと大丈夫!がんばれ!」なんて言えないです。
大丈夫なんて、そんな簡単に言えない。
ただ、同じがん患者さんの治療が、少しでも良い方向に進みますように、という思いはずっと変わらずにあります。
何が言いたいのかわからなくなってきました。
このあたりにしておきたいと思います。
Twitter → @777_Kanata
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