遺伝カウンセリングを受けてきた

2021/11/29

HBOC 乳がん


先日、遺伝カウンセリングというものを受けてきました。
今回は乳がんの遺伝についてと、遺伝カウンセリングの内容、受けての感想を書きたいと思います。

遺伝カウンセリングを受けるか迷っている方の参考になるように頑張ります。

乳がんの遺伝について

「がん家系」なんて言葉がありますが、実際どうなんでしょうか。
少なくとも乳がんについては「乳がんになる可能性が高い遺伝子」というものが存在します。

代表的なものは「HBOC:遺伝性乳がん卵巣がん症候群」です。
HBOCと診断された人は乳がんだけでなく、卵巣がんにもなりやすい傾向があります。

HBOCについて、詳細はこちらを見てみてください。

HBOCの特徴 | 遺伝性乳がんとは | MSD oncology がんを生きる

BRCAという遺伝子に病的変異があり、それが原因で発症する遺伝性の乳がんや卵巣がんを...

www.msdoncology.jp

乳がん全体の10%が遺伝性乳がんだと言われていますが、私もその10%の人間でした。

遺伝子検査について

自分がHBOCであるかどうかは、血液検査による遺伝子検査によってわかります。

価格は保険適用で7万円程度。
既に乳がんを発症していて条件を満たしている人は保険適用ですが、まだ乳がんを発症していない人や条件を満たしていない人だと、保険適用になりません。

既に家族が遺伝子検査を受けていてどの遺伝子に変異があるかわかっている場合、その遺伝子を狙い撃ちで検査することで、費用を抑えることもできるようです。

私は乳がんだとわかって比較的すぐにやってもらいました。
治療方針に影響があり、いずれやった方が良いと主治医に言われたからです。
決断はいつも早い方ですが、この時も即決。

結果が出るまでに3週間程度かかったので、特に手術前に結果が知りたい場合は、早めの決断が必要かもしれません。

遺伝カウンセリングについて

遺伝カウンセリングとは

遺伝カウンセリングでは、専門のカウンセラーの方と遺伝性乳がんについて心配なことを相談したり、知りたいことを聞いたりすることができます。

費用は保険適用で4000円程度でした。
保険適用になるには条件があるので、事前に病院に確認すると良いと思います。

乳がんが発症していなくてもカウンセリングを受けることは可能です。
もちろん、遺伝子検査を受けるか悩んでいる段階でも相談することができます。

遺伝カウンセリングを受けた理由

これは私の場合の話です。

既に自分がHBOCであることはわかっていたので、自分のためというよりは家族のためという理由でした。

事前に知りたい・相談したいと思っていたことは以下の通りです。
  • 遺伝検査を受けるメリット・デメリット
  • 家族が遺伝子検査を受けるための手続き
  • 乳房の予防摘出・再建の相談

遺伝カウンセリングは自分だけではなく家族にも関係がある内容になるので、可能であれば、家族にも聞きたいことがないか確認をすると良いと思います。

内容

実際に聞いてきた内容は以下の通りです。
迷ったら受けた方が良いものだし、私の記憶を頼りに書いているので、あくまでご参考まで。

HBOCの特徴・治療への影響

事前に調べている人であれば復習のような感じになると思います。

遺伝子検査の説明

検査の種類や費用について説明を聞きます。

検査を受けるメリット・デメリットについてもここで知ることができました。
とてもざっくり書くと、

メリット
  • リスクを知って治療・予防に取り組める
  • 家族への影響を明確にできる

デメリット
  • 精神的負荷が大きい
  • 検査結果の利用について保護する法律がない
    (就職・保険の加入等で利用される可能性がある)

また、家族が地元で検査を受ける際、どう動いたら良いかも聞くことができました。

家系図の作成

カウンセリングを受ける前に親戚にがんになった人がいないかを確認しておきます。
何がんだったかや、現在何歳か、亡くなっている方の場合は亡くなった年齢もわかると良いです。

本来であれば、カウンセリングを受ける人のHBOCである可能性がどれくらいあるかを見極めて、遺伝子検査を受けるかどうかの判断材料にすることが多いです。

私の場合は、両親どちらがルーツかを見極めて、家族・親戚への影響がどれくらいあるかを聞きました。
100%確定というのではなく、あくまで確率を知る、という感じです。

予防摘出と再建の相談

予防摘出もメリット・デメリットがあります。
私ははじめから予防摘出をすると決めていましたが、メリット・デメリットを聞いて、改めて考えることができました。

再建や予防摘出はどの順番で、いつやるかの検討が必要です。
予防摘出をするかどうかもですが、患者が納得して決める必要があります。

運よく主治医も合流して3人で相談させてもらうことができて、カウンセリングの場で方針を決めることができました。
その方針については追々記事を書きます。

遺伝カウンセリングの感想

知りたいことを知れたり、今後の治療方針が固まったりと、満足度の高い内容でした。

主治医の診察が慌ただしいという人でも、カウンセリングならゆっくり相談をすることができて良いと思います。

遺伝子検査を受けるか悩んでいる人でも、既に検査を受けてHBOCであることがわかっている人でも、受ける価値があるものだと思いました。
その後の治療に納得して臨むために役立つはずです。


遺伝カウンセリングを受けたいという方は、まずは主治医や病院に問い合わせてみてください。
実りのある場になりますよう。


Twitter → @777_Kanata

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